他人の痛み

一面、大変残念な事は、世界に比類ない絶対者に近い国になったこの国の人には本土が戦場になった悲惨な経験を持たない、と言う事だ。(歴史上、1754年から10年間インデアン戦争があったし、1851年に南北戦争があった、然し前者は弓・矢しかない原住民を鉄砲・銃・ピストルで一方的に大量殺戮したのだし、南北戦争は移住者間の対立による国内紛争である)


朝鮮戦争ベトナム戦争、その他世界各地の戦争には大抵アメリカが主体的に関わってきている。然しこれらは米兵は本国から出兵していても、「戦場」はあくまで外国、所詮「他所事」である。9・11事件は初めて本土の真中で起きた「事件」である。それをブッシュは「戦争だ」と叫んでアフガニスタンを攻撃し更にイラク攻撃にまで走った。


戦争の大義も不確かなまま、5000年の歴史あるメソボタミヤ文明の本拠を戦場とし、ミサイル攻撃で旧い文明遺産を破壊し、多くの無辜の市民をも巻き添えにしている。アメリカに如何に言い分があったにしても「戦争の本当の悲惨さ」が分かっていないからこそ出来る「非体験国の無神経さ」と言って良いと思う。