政治の浄化


田中後は、「椎名裁定」で「クリーン」と称された三木氏が指名を受け、首相を勤める事になった。然し、田中は依然自民党最大派閥「田中派のドン」として、政界に隠然たる影響力を発揮していた。田中角栄氏の下には100名を越す国会議員が所属し「一致協力」していた。


三木氏は「カネの掛る政治は全廃すべきだ」が持論で、政界浄化を旗印にして「田中政治の対極」に位置する政治家であった。それだけに「政治と金の問題の元凶」である田中氏の疑惑は、座視し得ない、むしろ政界浄化絶好の機会と写ったに違いない。