富裕層・企業への減税


上掲中段の平成10年は小渕内閣発足の年で、この年に経済戦略会議を発足させ、その戦略会議の「緊急提案」があって9兆3千億円にも上る恒久減税を発表した年である。所得税率を一挙に37%に引き下げて税体系も4段階にした。昭和時代の所得税率のうち最高が70%であり62年に60%まで引き下げたものを更に37%としたのだから決定的に税収欠陥を恒久化してしまったのである。


まして法人税率も37.5%から更に34.5%に3%引き下げたものである。注目すべきはこの時も庶民向けの減税は為されていない、最も該当層の多い最低税率10%はそのまま据え置き、専ら高額所得層・富裕層・大企業対象の減税を断行したのである。


税収の項目としては表には記載していないが他に27%の「間接税」の税目があったが、竹下氏は平成元年の消費税創設の際、引き換えに間接税の中で有価証券取引税・取引所税・物品税等を廃止してしまった。(消費税導入に反対した業界へ妥協の為「アメ配り」をした、詳細は5月8日日記に記した)


間接税廃止乃至は税率を大幅に縮小してしまった事での減収額はデータ−から割り出した実績値試算では間接税だけで6.5兆円に上るものだ。但し間接税でも、大衆課税とも言える酒税・たばこ税・揮発油税等はそのまま継続されている。