「先手必勝」


彼の政治が、余りにも独裁的で党内からも批判の声が大きくなった折に、彼がとった政治的選択肢も、矢張り意表をついた「議会の解散・総選挙」であった。


その時の争点が「自分を信認すか」「そうでないか」の二者択一の手法で、信認する候補には公認詔書(クーポン券=配給券)を渡し、信認しない候補には刺客を差し向けた。(刺客は英語でデビル・ドール=悪魔の人形=と言うのだそうだ)


大衆はこの決闘劇の選挙に拍手喝采し、楽しんだのだという。丁度ローマのコロッセウムの中で2人の剣闘士が互いに相手の命を取り合うようなこの「スペクタクル手法」は判りやすく、大衆は熱狂するのだという。


結果はロイド・ジョージ率いる与党が圧倒的勝利となった。小泉自民党もそうだが、中西輝政さんによれば「決闘劇」は仕掛けた方が必ず勝つもの、だと言う。


さて、その後の事に興味は移るのだが、結果的にはロイド・ジョージ政権は実に悲惨な結末に終わったのだそうである。