「自決」強要


2人は俘虜交換で釈放後、憲兵の護送の下で吉林の病院に運ばれ、終日憲兵の監視の下取り調べが始まり、いよいよ軍法会議に付される事となった。


その前日に病院に2つの棺桶が運び入れられて、2人には実弾入りの拳銃と共に「ノモンハンで名誉の戦死を遂げた」と言う内地の新聞記事が夫々の将校の眼前に置かれた。


取調べの憲兵は外へ出て、部屋の扉は閉め切られ錠前が下ろされ、間もなく拳銃の発射音が病院内に轟いた、と言う。



(写真は横浜・ランドタワービル展望階より富士山方面を望む)