「田園正に荒れんとす」


その後、彼等が成人して日本も高度成長期期に入り、農村は産業界への人材供給源として大きな役割を果たす事となった。若者の多くが相次いで都会へ出て、農村はお年寄り主体となった。


加えて、農村では省力化、「機械化」が進み、農業そのものはトラクター・コンバインを装備する専業の企業家に集約されていく。


追い討ちをかけたのが交通手段の発達に伴う「安い土地と労働力を目的」とした工場の地方進出である。そこでは農村の余剰労働力を、余すところなく(貪欲に)土地と労働力を吸収したのである。


お蔭で今や農業を営む家庭は殆ど消え、農村は、「パート」「臨時工」・「一時職員」等の「老人・主婦の勤労所得者層」になってしまった。


但しこれは恵まれた中小都市近郊部での事、新幹線も通らない純農村や都市から離れた地域では、過疎地として寂れ、閑散としている。


大都市、中小都市、地方との所得・経済格差も「雲泥の如く」拡大している。



(写真は雪国の駅)