戦争指導


「最初米英が「アフリカ」を攻略しよーとする計画の有った時、私は独逸がソビエト戦に重点を置くよりも寧ろ「アフリカ」に重点を置くように勧めたらどうかと、東條に注意を与えた事がある。之を先方に通じたかどうか、大島(駐独大使)の事だからはっきり解らぬ。」


「次は米英が仏本土に上陸した時(1994年6月)独逸に対し、ソビエト側は単なる防禦に止め、主力を以って米英側に一撃を与えるように頼んだ事がある。」


「最後にソビエト軍が愈々独逸領に侵入した時、思い切って独ソの和睦を申し込ませた、之は大島が先方に通じたと思う。然し之には独逸が承諾しなかった。」
「日独利害関係の不一致は、外交に於ける日本の敗因となった。」(以上独白録122―123頁)