「4人部屋」での「同志」

okamakoto2007-02-10



入院は4階の外科病棟の4人部屋だった、窓側のKさんは65歳、整形外科入院いらい既に3ヶ月目に入るという、一日中右腕を首からベルト状の器具と包帯で支えて、食事も左手でこなす。


「自分の腕がこんない重いとは思わなかった」、「右手を使えないとは何と不自由なことか思い知らされている」と、その事を「さらり」と明るく仰られるとつい頷いてしまう。


自転車で横断歩道を渡ろうとして、左折車と出会いがしらに接触し、転倒骨折したそうで、骨折した部分が接合するまで後1ヶ月程掛るのだそうだ、人間の骨は僅かに、然し、確かに「1日に1ミリ」しか伸びないのだそうだ。


「自分の不注意ですよ」と、何気なく言ってのけられるKさん、入院当初は「何で自分だけが」と、恨めしく思ったそうだが、次々に怪我人が運ばれて入退院を見送る内に達観されたそうである。


窓側、もう一方のベッドの36歳Nさんは、外見では元気そうに見えるが左腕付け根から全く感覚もなく「ぶらり」と下がっているだけだと聞いてビックリした。オートバイで転倒し、神経が切れてしまって自分の意思で、自分の腕や指がびくともしないのだと言う。


5年前、勤め先から深夜帰宅途中、雨後の急カーブで枯葉に車輪がスリップし、側縁に激突し左腕が脱臼・骨折、救急車で運ばれて、それ以来何度も入退院を繰り返しているのだと言う。