「死ぬほど辛い」「リハビリの痛さ」


この青年はパソコンが唯一の趣味だそうで、夜中にもこっそりと片手5本の指でコツコツとPC操作をやっていて、片手で日常の用を足すと言うのは想像以上に大変な事なのだと知った。


窓側の二人は、午前と午後に「リハビリ室」で、小1時間のリハビリが日課であった、実際どのような施術を受けられているのかは判らないのだが、「死ぬほど辛い時間だ」と交々仰る。


ベッド向かいに前の日に緊急入院したというOさんー66歳、建設会社勤務、自分と同じ脳外科、交通事故加害者で、救急車で2−3軒をたらい回しにされた挙句にこの病院に入院した方であった。


交通事故では明らかにこの方の場合「加害者」と言う事になるが、ご自身では、車が運転中に幼児をはねて対向車に激突し救急車で運ばれたのだが、事故前後の事は全く記憶にないという、突然「脳卒中症状」を起したのだ。


日頃近くの医院で「脳卒中の危険あり」として、治療薬をもらっていたというのだが、この病院の入院中に「病気のせい」を立証したいと言うのがOさんの願いのようであった。


自分が入院中、「被害者の家族に侘びにもこないと責め立てられている」と奥さんの悲痛な訴えが胸に堪えた。これからこの家族には保険会社や警察への手続や、被害者への補償問題が残されている、と聞く。