日本の「近代史」


「明治時代」に、ようやく国論を統一、日本が「近代化」に漕ぎ出すようになった。天皇を頂点とする中央集権的統一国家である。然し世界は植民地獲得の覇権争いの真っ最中で、否応なく渦中に巻き込まれる。


明治37年日露戦争」が起き「日本海海戦」でロシア艦隊を破り、ようやく国家として態をなし、世界から注目を浴びる国となった。


大正時代は「大正デモクラシー」と言われるように一般民衆サイドでの意識が高まりを見せた、「農民労働党」が結成されたのも大正12年の事である。


然し、日本の近代史の中で「明治」は余りにも英明で光り輝き過ぎた、「昭和」は一種の「明治コンプレックス」とも言うべき「光と影」の如く対比される期間だったのではあるまいか。


昭和時代は、近代国家への焦り、富国強兵への邁進、軍事独裁政治への傾斜、軍部独走、そして.暴走、中国侵略、泥沼から抜け出す手段としての太平洋戦争入り、そして敗戦、これらは「明治へのアンチテーゼ」ではなかったのか。


自分は昭和6年生れの、今年75歳である、下田に立って、日本が開国して未だ僅かに「自分の生き越し方の倍」の時間しか経っていない「その事実」の前に慄然としたのである。