2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

公共の電波

更に付言すれば、先日来しばしば、朝日新聞に対する「NHKの主張」、及び「当事者、政治家安倍、中川両氏の言い分」が定時全国向けニュース放送の中で繰り返し報道されている。NHKが電波を使って自己弁護と他社攻撃、(それも政治家とタッグになって)…

報道姿勢

最近のNHKニュース放送を聞いていて、その点で自分なりに気付く顕著な事がある。 それは近年「世事ごと、事件ものニュース」に長々と時間を掛け(往々にしてトップニュースで)、肝心の政治ニュース・イラク情勢等は触れないか乃至は軽くあしらわれる事が…

対峙から迎合へ

既述(1月16日―18日)の通り、イギリスBBCの場合も、「公共放送」ではあるが保守党と労働党の政権交代があって常時政権とは緊張関係にある。日本の場合、長期一党支配体制下、甘えと癒着を招いたと言われたとしても仕方ない。 NHKの歴史を見ると60年代…

NHKの沿革

元々NHKは「東京放送局」として1925年(大正14年)にスタートし、現在は国内ラジオ3波・テレビ地上波2波・衛星3波、海外向けにはTVを含め、22ヶ国語での放送を行っているとのこと。NHKがそのホームページで「80周年」を誇示しているが、戦時中の「…

民営化万能で良いか

現在小泉―竹中ラインで、「民営化」が、さも「万能の方策」であるが如くに喧伝され実行されようとしている。その事に大いなる疑問と懐疑で見ているのだが、最近「昭和の日本の働き蜂(自分達世代も含め)」が営々と築いて来た成果物が、資本の論理で相次いで易…

NHK聴取料制維持の条件

NHK内部の金銭不祥事発覚は、視聴者受信料不払い続出、会長辞任まで発展し、更に過去の番組への政治家介入疑惑まで噴出し、一転NHK対新聞社対決の様相に収斂しつつある。 ジャーナリズムと政治との関係は、(1月12−18日までに述べた)イギリスBBCの…

過去の日本の政治家

EUの事を取り上げつつ、自然に「この国の未来」に想いは行く。偶々昨日鶴見俊輔氏の所論を引用させて頂いたのだが、その中で氏は「明治以降、国の指導者は学校の成績本位に変わったこと」が近年の視野狭窄の人物に国の指導を委ねる結果となっているのでは…

日本は過去から何を学ぶか

太平洋戦争で多くの戦争被害者を出した日本の場合、一体過去の歴史から何を学び取っているのだろうか。そしてそれをこれからの未来にどう生かそうとしているのであろうか。 太平洋戦争(大東亜戦争)は昭和16年12月8日から20年8月15日までの3年8ヶ月間(そ…

他人の痛み

一面、大変残念な事は、世界に比類ない絶対者に近い国になったこの国の人には本土が戦場になった悲惨な経験を持たない、と言う事だ。(歴史上、1754年から10年間インデアン戦争があったし、1851年に南北戦争があった、然し前者は弓・矢しかない原住民を鉄砲…

アメリカの成り立ち

元々イギリスの既存貴族社会に不満を持ち、あぶれた人達が新大陸に夢を馳せ移民して来て、多くの先住の「アメリカインデアン」を皆殺しにして建国した国がアメリカである。 今月の日経新聞「私の履歴書」は、世界的著名な経済学者「ピーター・ドラッカー氏」…

本国が戦場でない国

一方、アメリカはどうだろうか、東西対立の一方の大国ソ連崩壊によって「一人勝ち」状況となり、今や軍事力でも経済力でも他国を圧して実質的に世界の中で唯一帝国の座を占める事となった。 考えてみると、この国は建国以来たかだか200年余(独立宣言が1776…

戦争の経験者

ヨーロッパ諸国にしろ、ソ連にしても過去2回の大戦を経験した反省から大きく方向を変えることになった。世界の一方の雄「ソビエト連邦」はゴルバチョフ首相の「ペレストロイカ」から「東欧諸国のソ連圏からの脱落」、更には「ソ連の崩壊」「ロシアの誕生」に…

EU⑧ 歴史に学ぶ(中) 戦争体験国と非体験国

スターリングラード攻防戦の悲惨さ

(郷里で考える「戦争世代」) 偶々11日から13日までの3日間、所要で雪国の郷里へ行き、宿泊ホテルで夜TVにスイッチを入れたらNHKBSプライムタイム「スターリングラード攻防戦―60年目の証言」の放映中であった。 第2次世界大戦でドイツ軍60万…

EU⑦ 歴史に学ぶ(上)

EU ⑥ 北欧 ノルウエー

北欧ノルウエーノルウエーは人口450万人、面積は38.5万平方キロと日本とほぼ同面積である。 1397年デンマークに併合、次いで1814年スウエーデンに割譲され、1905年独立すると言う歴史を持つ。 更に第2次世界大戦ではドイツに一旦は占領されて、ドイツの敗戦…

EU⑤ 北欧デンマーク

北欧4カ国は東西冷戦下、西側にも東側にも偏らずに北欧一体で緩衝地帯となってきたのである、所謂「ノルデック・バランス」の役割を果たして来たのだ。と言っても緊密な関係にあるように見えるこの北欧4カ国も、こと外国関係については必ずしも一枚岩ではな…

EU④ 「アジア経済圏構想」

幻となった「アジア経済圏」構想 日本に於いても、EU発足当時、時の宮沢首相が「アジア経済圏構想」を提唱した事があった。中国・韓国・マレーシア・タイ等東南アジア諸国と連携し経済的に立ち遅れているアジア諸国と連携する事がこの地域のために必要との宮…

EU③  その理念と機構

1.過去の戦争惨禍を共有 欧州統合へのそもそもの出発点は、過去二回の大戦で戦い合い、欧州に戦争の悲劇を体験し惨禍をもたらしたフランスとドイツ両国の「惨禍の悲劇を繰り返してはいけない」の強烈な反省と責任感がある。その哲学的理念は悲惨な経験をし…

EU② ユーロ誕生

「命から二番目に大事」なものが「カネ」だと思っている人が多い中で、或る日を境に、「今持っているカネ」が「他所の国のカネ」に変わると言えば相当の混乱も起きると思うのだが、そのようなことがヨーロッパ11カ国で一斉に行われ、さほどの混乱もなく、や…

EU ① 加盟国

(上記加盟国図面は「駐日欧州委員会代表部」資料より転写させて頂いた) EU概略自分は前にも記した事だが「外から見ると本当の日本が見える」と考えている。北欧から見ても、日本には数多くの問題があると考えるのだが、既に触れたEU(ヨーロッパ連合)の…

スウエーデンに見る⑩ 政治家の死

「ノーベル賞の授賞祝賀式典」は毎年スウエーデンの首都ストックホルで挙行されているのは、戦争とは無縁で世界平和に貢献しているこの国を象徴しているようだ。この国からは過去「平和賞」だけでも7名の方が受賞している。(写真はノーベル賞式典のストック…

スウエーデンに見る ⑨ 政治家・王室

政治家は職業でない先般ストックホルム市庁舎で「議会議場」を見る機会があった。広い議場の2階部分は傍聴席になっていて優に何百人かは座れる座席が用意され市民は何時でも傍聴出来るのだと言う。議会は毎回夕方4時から開催されると言う。何故かと聞くと「…

スウエーデンに見る ⑧隣国

北欧と言えば現在は8カ国となっているが、元々我々が「北欧」で連想するのはスカンジナビア半島の陸続きデンマーク、ノルウエイ、スウエーデン、フインランドの4ヶ国である。その中でもデンマークとスウエーデン両国は歴史の中で同君同盟を結んだり独立運動…

スウエーデンに見る ⑦議会と選挙

スウエーデンの議会と選挙 この国の議会は35年前までは2院制だったが1970年の統治法改正で一院制、議員定数349人となり、議員の任期は4年となった。選挙区は全国を29の選挙区とした「中選挙区名簿式比例代表制」をとっている。 何故、半端な349人なのか、誰…

EU⑪ フインランド

2月18日 さて大分わき道にそれたが、「EU見聞」も一応今日で一区切り、と思っている。先回旅行で最後に行った国はフインランドだった。この国はごく短時間(一晩)だったが、北欧フインランドも実に「静かな田舎町」の風情だった。 夕方6時にストックホルム…

スウエーデンにみる⑥ 投票率

「民主主義」は「投票」を通して国民の意思を汲み上げ、それに基づいて政策を遂行する事である。従って選挙における「投票率」は「民主主義成熟度」のバロメーターと言えるものなのだろう。 下表は、スウエーデンと我国との国政選挙の投票率推移を比較したも…